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超高齢化社会を支える制度~後見制度~

日本は世界でも類を見ない超高齢化社会を迎えていますが、
このような社会情勢を支える大きな柱となるものとして成年後見制度が挙げられます。

以下の文章は、後見制度を利用するか悩まれているご高齢の方向けの説明資料として作成したものです。

・民法という法律(契約ごとのルールに関するきまり)では、「どのような契約を誰と結ぶのかは自由」となっています。
・このルールは、「正常な判断能力を持っている人同士であれば自由に契約をした方が良い」という考えが元になっています。
・しかし、高齢等で判断能力が不安になっている人の場合、このルールが悪用されることがあります。
例)家に布団があるのに、更に布団を10組買うことになっている
  シロアリ駆除のために、床下に10台扇風機が置かれている
・また、老人ホームに入ること、お医者さんにかかること、銀行からお金をおろすことも契約ですが、判断能力が不安だと、契約ができないことがあります。
・そこで、裁判所に対して、ご本人のために難しい契約ごとの判断をしてくれる人を選んで下さい、と頼む仕組みがあり、この仕組みのことを「成年後見制度」と言います。

成年後見制度は更に「後見」・「保佐」・「補助」という3つのタイプに分かれています。

3者の違いは、ご本人の判断能力と後見人・保佐人・補助人の権限にあります。

○後見
判断能力:事理を弁識する能力を欠く常況にある 
権限:法定代理人としてほぼ全般(「日用品の購入その他日常生活に関する行為」についてはご本人が単独で可能)

○保佐
判断能力:事理を弁識する能力が著しく不十分である者
権限:民法所定の重要な行為(例:元本の領収、借財・保証、不動産の売買等)について同意見・取消権
   一定の行為(例:銀行取引、入院・入所契約等)について代理権を設定することも可能

○補助
判断能力:事理を弁識する能力が不十分である者
権限:保佐人が取消権を持つ行為の内の一部について同意見・取消権
   保佐人と同様に代理権を設定することも可能

判断能力については
認知症の方であれば長谷川式テストの点数
知的障害の方であれば知能検査の結果等はおおよその目安となりますが
厳密に判断するためには裁判所が選定した鑑定人による鑑定を経て裁判所が決定することになります。

後見人等が選任されるとご本人に代わって様々な行為を代理することが可能となりますので
独居の方、ご家族が遠方にいる方等で周囲の方からのサポートだけでは万全とならない場合には
極めて重要な支えとなります。

一方、現在の法律では、判断能力が十分でなくなった後にしか利用することができず
「万が一があったときの予めの備え」とはなりません。

このような「予めの備え」に対応するものの1つとして
任意後見制度があります。
こちらについては別稿で紹介することと致します。

 
 
 
 
2023年05月31日 20:26
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